「最近うちの猫がトイレに行く回数が増えた気がする…」
「おしっこが少ししか出ていないような…」
そんな変化に気づくと、不安になりますよね。
猫の頻尿は、単なる一時的な変化のこともあります。
でも実は、命に関わる病気のサインである場合もあります。
特にオス猫は尿路が詰まりやすく、数時間で危険な状態になることもあるため注意が必要です。
この記事では、猫が頻尿になる主な原因、すぐに受診すべきサイン、家庭でできる予防法を、獣医師の視点で分かりやすくまとめます。
先に結論
「何度も行くのに出ていない」は緊急。
特にオス猫はすぐ受診を!
猫の頻尿でいちばん怖いのは、「頻尿に見えるけれど、実は尿が出ていない」状態です。
とくにオス猫は尿道が細く長く、詰まりやすい体のつくりです。
尿が出ない時間が続くと、体の中に老廃物がたまり、短時間で命に関わることがあります。
✅ 何度もトイレに行くのに出ていない
✅ 苦しそうに鳴く
✅ ぐったりしている
この場合は、様子見はせず、早めに動物病院へ連れていきましょう。
正常なおしっこの回数の目安を知ろう

まずは「どのくらいトイレに行くのが普通なのか」を知ることが大切です。
猫の1日の排尿回数は、およそ 2〜3回程度が目安です。
ただし、飲水量やフードの種類によって多少変わります。
そして「頻尿」は、回数だけの問題ではありません。
次のような状態も頻尿に含まれます。
✅ 何度もトイレに入るのに少ししか出ない
✅ 排尿姿勢を何回もとる
✅ トイレに長くこもる
頻尿のチェックポイント|こんな様子は要注意

「頻尿かな?」と思ったら、次のポイントをチェックしてみてください。
頻尿のサイン
✅ 1日に5回以上トイレに行く
✅ トイレで何度もしゃがむのに、少ししか出ない
✅ 排尿中に鳴く、痛そうにしている
✅ トイレ以外の場所でもおしっこをしてしまう
こうした行動が見られたら、「ただの癖」と思わず、原因を探ることが大切です。
猫が頻尿になる主な原因

頻尿の原因はひとつではありません。
軽い膀胱炎から、緊急性の高い尿道閉塞まで幅があります。
ここでは代表的な原因を、順番に見ていきましょう。
① 膀胱炎(もっとも多い原因)
頻尿の原因として多いのが膀胱炎です。
細菌感染だけでなく、ストレスやトイレ環境が引き金になることもあります。
膀胱炎の猫は、何度もトイレに行くのに少ししか出なかったり、排尿時に痛みで鳴いたりすることがあります。
おしっこがピンク色や赤っぽい場合は、血尿の可能性もあります。
✅ トイレに頻繁に行く
✅ 排尿時に鳴く
✅ 血尿がある
✅ トイレ外での排尿
膀胱炎は早期治療で改善しやすい一方、再発しやすい病気でもあります。
ストレスが関係している場合は、生活環境の見直しも大切です。
② 尿路結石・尿道閉塞(特にオス猫に多い)
ここは最重要です。
尿道閉塞は、命に関わる緊急事態です。
尿の中のミネラルが結晶や石になり、尿道を塞いでしまうことがあります。
オス猫は尿道が細く長いため、メス猫より圧倒的に詰まりやすいです。
こんな様子があれば危険です。
✅ 何度もトイレに行くのに、ほとんど出ていない
✅ 苦しそうに鳴く
✅ お腹を触ると嫌がる
✅ 元気がない、ぐったりしている
尿が出ない状態が続くと、腎臓にダメージが及び、体内に老廃物がたまります。
最悪の場合、短時間で命に関わることもあります。
「夜だから…」と迷わず、救急病院も含めて受診してください。
③ 慢性腎臓病(中高齢猫で増えています)
腎臓病は中高齢の猫で多い病気です。
腎臓の機能が低下すると尿が薄くなり、体の水分が失われやすくなります。
その結果、
「喉が渇く → 水を飲む → 尿が増える」
という流れで、頻尿が目立つことがあります。
✅ 頻尿+多飲(水をよく飲む)
✅ 食欲低下
✅ 体重減少
✅ 毛づやが悪い
腎臓病は、早期に見つけるほど進行をゆっくりにできます。
7歳以上では年1〜2回の健康診断が安心です。
④ 糖尿病(多飲・多尿+体重減少)
糖尿病も、頻尿・多飲を起こす代表的な病気です。
血糖値が高い状態が続くと、尿に糖が出て、体の水分も一緒に排出されます。
✅ よく食べるのに痩せてきた
✅ 水をたくさん飲む
✅ 尿の量が多い
✅ 毛並みが悪い
こうしたサインがあれば、早めの血液検査が必要です。
⑤ ストレスやトイレ環境の問題
病気ではなく、環境の変化が原因で頻尿になることもあります。
猫は繊細なので、ちょっとしたことがストレスになり、膀胱に影響が出ることがあります。
✅ 引っ越しや模様替え
✅ 新しい家族やペットの登場
✅ トイレの場所や砂を変えた
✅ トイレが汚れている
この場合も、膀胱炎を併発していることがあるので、「頻尿が続く」「痛そう」なら受診が安心です。
病院に行くべきタイミング|特に「出ていない頻尿」は緊急です

次のような症状があれば、迷わず動物病院へ。
すぐに受診してほしいサイン
✅ 何度もトイレに行くのに尿が出ない
✅ トイレ中に鳴く、痛がる
✅ おしっこがピンク色や赤い(血尿)
✅ 回数が多いのに量が少ない
✅ 元気や食欲がない
✅ オス猫で尿が出ていない
とくにオス猫の「出ていない頻尿」は緊急です。
夜間でも、ためらわず救急受診をしてください。
自宅でできるケアと予防

頻尿は、生活習慣の見直しで予防できることもあります。
できるところから整えていきましょう。
水分をしっかりとる工夫
水分が増えると、尿が薄まり、結晶ができにくくなることがあります。
✅ 新鮮な水を複数の場所に置く
✅ ウェットフードを取り入れる
✅ 循環式の給水器を使う
トイレを清潔に保つ
トイレが汚れていると我慢しがちになり、膀胱炎のリスクが上がります。
✅ 1日1〜2回は掃除
✅ 猫の頭数+1個のトイレを用意
✅ 静かで安心できる場所に置く
ストレスを減らす環境づくり
ストレスは膀胱トラブルの大きな引き金になります。
✅ 隠れられるスペースを用意する
✅ 来客や大きな音など急な刺激を減らす
✅ 生活リズムをなるべく一定にする
まとめ

頻尿は“体からのSOS”。特にオス猫は急ぎましょう
猫の頻尿は「ちょっとした変化」に見えて、実は危険が隠れていることがあります。
✅ 軽い膀胱炎から命に関わる尿道閉塞まで原因はさまざま
✅ 特にオス猫は尿道が細く、詰まりやすい
✅ 「何度も行く」「出ていない」「痛そう」「元気がない」はすぐ受診
✅ 水分・トイレ・ストレス管理が再発予防のカギ
よくある質問(FAQ)

Q1. 猫が何度もトイレに行くけど、少ししか出ません。様子見でいいですか?
少量しか出ない状態が続く場合は、膀胱炎だけでなく尿道閉塞の可能性もあります。
特にオス猫では緊急になることがあるため、早めの受診をおすすめします。
Q2. オス猫がトイレに入るのに尿が出ていません。夜でも病院に行くべきですか?
はい、行くべきです。
尿が出ない状態は命に関わる緊急事態です。
夜間でも救急病院の受診を検討してください。
Q3. 受診のときに持っていくと良いものはありますか?
可能であれば、直近のおしっこ(採尿できれば)や、トイレ回数・尿量のメモが役立ちます。
血尿があれば色の写真、排尿姿勢の動画も診断の助けになります。












