猫が何度もトイレに行くのに、おしっこが出ていない。
トイレの中で長くしゃがんでいるのに、砂の固まりが見当たらない。
トイレで鳴く、落ち着かない、陰部をしきりになめている。
このような様子を見ると、飼い主さんはとても不安になると思います。
猫のおしっこが出ない状態では、膀胱炎などの尿トラブルだけでなく、尿道が詰まって尿が出なくなる「尿道閉塞」が関係していることがあります。
猫の尿道閉塞は、疑われる場合にはすぐに獣医療を受ける必要がある緊急性の高い状態です。
特に男の子の猫では、尿道が長く細いため注意が必要です。
この記事では、猫のおしっこが出ないときに、飼い主さんが今すぐ見るべきサイン、受診の目安、病院で伝えると役立つことをやさしく解説します。
※この記事は一般的な情報です。実際の判断は、猫ちゃんの状態や年齢、持病によって変わります。不安な時は、かかりつけの動物病院へ相談してください。
先に結論
猫のおしっこが出ていないかもしれない時は、様子を見すぎないことが大切です。
特に、次のような様子がある場合は、早めに動物病院へ相談してください。
✅ 何度もトイレに行くのに出ない
✅ 長くしゃがむのに砂の固まりがない
✅ 半日以上おしっこが確認できない
✅ トイレで痛そうに鳴く
✅ 血尿がある
✅ 元気や食欲がない
✅ 吐いている
✅ ぐったりしている
✅ お腹を触ると嫌がる
猫の尿トラブルは、見た目だけで「膀胱炎なのか」「尿道が詰まっているのか」「便秘なのか」を判断するのが難しいことがあります。
実際に、尿道閉塞ではトイレで何度もいきむため、飼い主さんから見ると便秘のように見えることがあります。
完全な尿道閉塞では、元気消失、嘔吐、脱水などの全身症状につながることがあるため注意が必要です。
大切なのは、飼い主さんが病気を決めつけることではありません。
「いつから」
「何回トイレに行ったか」
「おしっこは出ているか」
「元気や食欲はあるか」
このような情報を整理して、早めに相談することです。
猫のおしっこが出ないとはどんな状態?

猫のおしっこが出ない時は、見た目としては「何度もトイレに行く」「長くしゃがむ」「砂の固まりがない」などの様子で気づくことが多いです。
何度もトイレに行くのに出ない
猫が何度もトイレに行くのに、砂の固まりがない場合は注意が必要です。
トイレに入る。
少ししゃがむ。
出てくる。
またすぐにトイレへ行く。
このような行動が続く時は、おしっこをしたいのに出にくい状態になっている可能性があります。
猫の下部尿路トラブルでは、頻繁に排尿しようとする、排尿時に痛がる、血尿が出る、トイレ以外で排尿する、陰部をなめるなどの様子が見られることがあります。
長くしゃがんでいる
トイレの中で長くしゃがんでいると、便秘のように見えることがあります。
しかし実際には、おしっこを出そうとしている場合もあります。
特に、トイレで長くしゃがむのに便も尿も確認できない時は、排便の問題だけでなく、排尿の問題も考える必要があります。
「うんちが出ないのかな」と思って見ていたら、実はおしっこが出ていなかった、ということもあります。
痛そうに鳴く・落ち着かない
おしっこをする時に痛みや違和感があると、猫はトイレの中で鳴いたり、そわそわしたり、陰部をしきりになめたりすることがあります。
普段は静かな子がトイレで鳴く。
何度も場所を変える。
落ち着かない。
隠れて出てこない。
こうした様子も、体調の変化を示していることがあります。
多頭飼育では見逃しやすい
多頭飼育では、どの子のおしっこか分かりにくいことがあります。
「トイレに固まりがあるから大丈夫」と思っていても、実は別の猫のおしっこだった、ということもあります。
気になる子がいる場合は、可能な範囲で、
✅ トイレに入った様子を見る
✅ その子だけ一時的に別の部屋で確認する
✅ トイレ砂の固まりの数や大きさを見る
✅ トイレの前後の様子を観察する
といった方法で確認してみてください。
猫のおしっこが出ない時に考えられる原因

猫のおしっこが出ない、または出にくい時には、いくつかの原因が考えられます。
膀胱炎
猫のおしっこトラブルで多い原因のひとつが、膀胱炎です。
膀胱に炎症が起こると、
✅ 何度もトイレに行く
✅ 少量ずつおしっこをする
✅ 血尿が出る
✅ トイレ以外の場所でおしっこをする
✅ 陰部をなめる
といった様子が見られることがあります。
猫の下部尿路疾患では、頻尿、排尿困難、血尿、陰部をなめる、トイレ以外で排尿するなどの症状が見られるとされています。
ただし、見た目だけで「膀胱炎だから大丈夫」と判断することはできません。
膀胱炎のように見えても、尿道が詰まりかけていることもあります。
尿石・結晶
尿の中に結晶や石ができると、膀胱や尿道を刺激することがあります。
また、結晶や石、炎症による成分などが尿道に詰まると、おしっこが出にくくなることがあります。
猫の尿石や結晶は、血尿、排尿時の痛み、尿が出ない状態などにつながることがあり、完全に詰まると緊急対応が必要になる場合があります。
尿道閉塞
尿道閉塞とは、尿の通り道である尿道が詰まり、おしっこが出なくなる状態です。
猫では特に、男の子で注意が必要です。
男の子の猫は尿道の構造上、尿道閉塞のリスクが高いとされています。
尿道閉塞では、
✅ 何度もトイレに行く
✅ ほとんど尿が出ない
✅ トイレで鳴く
✅ 落ち着かない
✅ 元気がなくなる
✅ 食欲が落ちる
✅ 吐く
✅ ぐったりする
といった様子が見られることがあります。
疑われる場合は、すぐに動物病院へ相談してください。
ストレスや環境の変化
猫では、ストレスや環境の変化が尿トラブルに関係することがあります。
たとえば、
✅ 引っ越し
✅ 家族構成の変化
✅ 新しい猫や犬を迎えた
✅ トイレの場所が変わった
✅ トイレ砂が変わった
✅ トイレが汚れている
✅ 多頭飼育で落ち着いてトイレに行けない
といったことがきっかけになる場合があります。
もちろん、ストレスだけで判断することはできません。
おしっこが出ていない可能性がある時は、環境の問題だけで片づけず、まずは体の状態を確認することが大切です。
今すぐ見るべきサイン

猫のおしっこが出ていないかもしれない時は、まず「いつから」「どのくらい」「全身状態はどうか」を確認します。
最後におしっこをした時間
まず確認したいのは、最後におしっこを確認した時間です。
「昨日の夜から出ていない」
「朝から砂の固まりがない」
「何度もトイレに行っているのに確認できない」
このような情報は、受診の判断にとても役立ちます。
時間がはっきり分からなくても大丈夫です。
「たぶん昨日の夜から」
「今日の朝から気になる」
など、分かる範囲でメモしておきましょう。
トイレの回数と様子
次に、トイレに行く回数と様子を見ます。
✅ 何度もトイレに行く
✅ 出たり入ったりを繰り返す
✅ 長くしゃがんでいる
✅ トイレで鳴く
✅ しゃがむけれど何も出ていない
✅ トイレ以外の場所でしようとする
こうした様子がある場合は、尿が出にくい、または排尿時に違和感がある可能性があります。
砂の固まりの有無
猫砂を使っている場合は、砂の固まりを確認します。
いつもより小さい。
数が少ない。
小さな固まりが何個もある。
ほとんど固まりがない。
このような変化は、おしっこの量や回数の異常を知る手がかりになります。
普段の固まりの大きさを知っておくと、変化に気づきやすくなります。
尿の色
おしっこの色も確認しましょう。
✅ 赤い
✅ ピンクっぽい
✅ 濃い黄色
✅ いつもと違う色
✅ トイレ砂に赤みがある
✅ ペットシーツに血のような跡がある
このような時は、血尿が疑われます。
写真を撮っておくと、病院で説明しやすくなります。
元気・食欲・嘔吐の有無
おしっこの様子だけでなく、全身の様子も大切です。
✅ 元気があるか
✅ 食欲があるか
✅ 吐いていないか
✅ ぐったりしていないか
✅ 隠れて出てこないか
✅ 呼びかけへの反応はいつも通りか
尿道閉塞が進むと、元気消失、食欲低下、嘔吐、脱水などの全身症状が見られることがあります。
おしっこの異常に加えて全身の変化がある場合は、早めに相談しましょう。
受診の目安

猫のおしっこが出ていないかもしれない時は、「もう少し様子を見よう」と長く待ちすぎないことが大切です。
何度もトイレに行くのにほとんど出ない
何度もトイレに行くのに、おしっこがほとんど出ていない場合は、早めに相談した方が安心です。
少しだけ出ているように見えても、何度もトイレに行く、痛そうにする、血尿がある、元気がないなどの様子があれば注意が必要です。
「少し出ているから大丈夫」と決めつけないようにしましょう。
半日以上おしっこが確認できない
半日以上おしっこが確認できない場合は、様子を見すぎない方が安心です。
特に、普段は1日に何回かおしっこをする子なのに、明らかに固まりがない場合は注意が必要です。
多頭飼育では、他の子の尿と間違えることもあるため、気になる子の排尿を確認できるように工夫してみましょう。
血尿がある
赤い尿、ピンク色の尿、トイレ砂やシーツに血のような色がある場合は、膀胱や尿道のトラブルが考えられます。
血尿があっても元気がある場合もありますが、尿が出にくい、何度もトイレに行く、痛そうにするなどの様子がある場合は早めに相談しましょう。
元気・食欲がない、吐いている
おしっこの異常に加えて、
✅ 元気がない
✅ 食欲がない
✅ 吐いている
✅ ぐったりしている
✅ 動きたがらない
といった様子がある場合は、緊急性が高くなることがあります。
完全な尿道閉塞では、短時間で全身状態が悪化する可能性があるため、こうしたサインがある場合はすぐに相談してください。
男の子の猫で出ていない可能性がある
男の子の猫は、尿道が細く長いため、尿道閉塞に注意が必要です。
「何度もトイレに行くのに出ていないかも」
「砂の固まりがない」
「痛そうに鳴いている」
「元気がなくなってきた」
このような時は、早めに動物病院へ相談しましょう。
夜間や休診日であっても、状態によっては夜間救急の相談が必要になることがあります。
病院で伝えると役立つこと

猫のおしっこトラブルでは、病院で「いつから」「どのくらい」「全身状態はどうか」を伝えられると、状況を把握しやすくなります。
いつから気になるか
まずは、いつから様子が違うのかを伝えましょう。
✅ 昨日の夜から
✅ 今日の朝から
✅ 数時間前から
✅ 何日か前からトイレの回数が増えた
正確な時間でなくても大丈夫です。
「いつもと違う」と気づいたタイミングを伝えるだけでも、診察時に役立ちます。
最後におしっこを確認した時間
最後におしっこを確認した時間は、とても大切な情報です。
「最後に砂の固まりを見たのは昨日の夜です」
「朝からトイレには行っていますが、固まりがありません」
「何度も行っていますが、少ししか出ていません」
このように伝えられると、状況が分かりやすくなります。
トイレの回数と尿の量
何回トイレに行ったか、どのくらい出たかも伝えましょう。
たとえば、
✅ 1時間に何回もトイレに行く
✅ 朝から5回以上入っている
✅ 固まりがいつもの半分以下
✅ 小さな固まりがいくつもある
✅ まったく固まりがない
このような情報があると、排尿の状態を把握しやすくなります。
尿の色や血尿の有無
尿の色も大切です。
赤い、ピンクっぽい、濃い、いつもと違う色がある場合は、写真を撮っておくと伝えやすくなります。
トイレ砂やペットシーツの写真でも十分です。
「これを見せてもいいのかな」と迷うかもしれませんが、写真は診察時の大切な情報になることがあります。
元気・食欲・嘔吐の有無
尿の状態だけでなく、全身の様子も一緒に伝えましょう。
✅ 元気はあるか
✅ 食欲はあるか
✅ 吐いていないか
✅ 水は飲んでいるか
✅ 隠れていないか
✅ 触られるのを嫌がらないか
尿の異常と全身状態をあわせて伝えることで、病院でも状況を判断しやすくなります。
まとめ
猫のおしっこが出ない、少ない、何度もトイレに行くという症状は、飼い主さんが判断に迷いやすい変化です。
膀胱炎などで見られることもありますが、尿道閉塞のように緊急性が高い状態が隠れていることもあります。
特に、
✅ 何度もトイレに行くのに出ない
✅ 半日以上おしっこが確認できない
✅ 血尿がある
✅ 元気や食欲がない
✅ 吐いている
✅ ぐったりしている
✅ 男の子の猫で出ていない可能性がある
このような時は、早めに動物病院へ相談しましょう。
大切なのは、飼い主さんが病気を判断することではありません。
「いつもと何が違うか」を見て、病院で伝えやすくすることです。
うちの子のトイレの回数、尿の量、色、元気や食欲の様子。普段の“いつも通り”を知っておくことが、早めの気づきにつながります。
よくある質問
Q1. 少しだけおしっこが出ていれば様子を見てもいいですか?
少し出ている場合でも、何度もトイレに行く、痛そうに鳴く、血尿がある、元気や食欲がない、吐いているなどの様子がある時は、早めに相談した方が安心です。
猫のおしっこトラブルは、見た目だけで判断が難しいことがあります。
「少し出ているから大丈夫」と決めつけず、回数・量・色・全身状態をあわせて見てください。
Q2. おしっこが出ないのか、便秘なのか分かりません。
猫では、おしっこを出そうとして何度もトイレに入る様子が、便秘のように見えることがあります。
トイレ砂の固まりがあるか。
便は出ているか。
何度もしゃがんでいるのに何も出ていないか。
トイレで鳴いていないか。
こうした点を確認しましょう。
分からない時は、無理に判断せず、動物病院へ相談してください。
Q3. 夜中に気づいた場合はどうしたらいいですか?
何度もトイレに行くのに出ない、ぐったりしている、吐いている、痛そうに鳴く、血尿があるなどの様子がある場合は、夜間救急も含めて早めの相談を考えてください。
特に、男の子の猫でおしっこが出ていない可能性がある場合は注意が必要です。
夜間に迷う場合は、まず夜間対応の動物病院へ電話で相談し、現在の様子を伝えるとよいでしょう。












