愛犬が下痢をすると、飼い主さんはとても心配になりますよね。
「何か変なものを食べた?」
「もしかして病気?」
そう感じるのは自然なことです。
実際、犬の下痢の原因はさまざまですが、意外と多いのが“食事”によるものです。
つまり、毎日のごはんを見直すことで下痢を防いだり、改善できる可能性があるのです。
このブログでは、初心者の飼い主さんにも分かりやすく、下痢と食事の関係について、やさしく解説します。
食事が原因で起こる下痢にはどんな種類がある?

急なフードの変更はお腹のトラブルのもと
犬の腸はとてもデリケートです。
これまでと違うフードに急に変えると、腸内環境が乱れて、下痢を起こすことがあります。
特に、栄養バランスや原材料が大きく違う場合、お腹がびっくりしてしまい、軟便や水っぽい便が出やすくなります。
フードを切り替えるときは、1週間ほどかけて少しずつ混ぜながら慣らすことが大切です。
油っこい食べ物や人間の食事は消化に負担
唐揚げやこってりしたお肉など、脂肪分の多い食材は、犬の胃腸に負担をかけてしまいます。
また、人間用に味付けされた料理も刺激が強すぎるため、食べると下痢を引き起こすことがあります。
特に注意すべきものは以下のとおりです。
– 揚げ物やベーコンなどの油もの
– 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
– カレーなど香辛料を使った料理
「ちょっとだけなら…」が下痢の原因になることもあるので注意しましょう。
アレルギーや食物不耐性でも下痢は起こる
ある特定の食材に対して、体がアレルギー反応を起こすことがあります。
たとえば、鶏肉・牛肉・小麦などが原因で、腸に炎症が起き、慢性的な下痢になるケースもあります。
また、「不耐性」といって、消化がうまくできない体質の場合もあります。
このような場合は、原因の食材を探る“除去食”を行うことがあります。
下痢のとき、どんな食事をすればいいの?

軽い下痢なら、量を減らして様子を見る
愛犬が元気で、食欲もあるなら、完全に食事を止める必要はありません。
ただし、食事の量はいつもの半分にして、消化にやさしいものに変えてあげましょう。
おすすめの食事例は以下のとおりです。
– お湯でふやかしたドライフード
– 胃腸ケア用の療法食
– 白身魚・ささみ・おかゆなどの手作り食
お腹にやさしいものを少量ずつ与えるのが基本です。
水分補給はとても大切です!
下痢が続くと、体の中の水分とミネラルが失われます。
これを放っておくと、脱水になってしまい、とても危険な状態になります。
新鮮な水をいつでも飲めるようにし、飲水量が少ない場合は、経口補水液やスープも活用してみましょう。
食事をやめるべきサインもあります
以下のような症状がある場合は、食事を控えて、すぐに動物病院を受診しましょう。
– 繰り返す嘔吐を伴う
– 水のような下痢が何度も出る
– 元気がない、食欲がない
– 血便が出ている
これらはウイルス性の感染症や膵炎など、命に関わる重い病気の可能性もあります。
下痢が治った後のごはんにも注意が必要です

いきなり元の食事に戻すのはNG!
下痢が治まっても、腸の中はまだ完全には回復していません。
この段階で以前のフードを急に戻すと、またお腹を壊すことがあります。
数日かけて、少しずつ通常のごはんに戻していきましょう。
目安としては、3〜5日ほどかけて、徐々に割合を増やすとよいでしょう。
おやつや人間の食べ物は控えて
「元気になったから、ちょっとだけ」とおやつや人間のごはんを与えてしまうと、再発の原因になります。
完全に体調が安定するまでは、シンプルで消化にやさしいごはんに絞ることが大切です。
再発を防ぐために、食事の見直しをしよう

良質で消化にやさしいフードを選ぶ
再発を防ぐには、普段の食事を見直すことが重要です。
選ぶポイントは以下の2つです。
– 主原料が肉や魚など動物性たんぱくであること
– 脂肪分が控えめで、栄養バランスが良いこと
価格だけで選ばず、原材料表示や栄養バランスをしっかり確認しましょう。
「AAFCO基準を満たしているか」もチェックポイントです。
フードの保存状態にも気をつけて
ドッグフードは、開封後の保存方法によって品質が落ちることがあります。
酸化が進むと風味が落ちるだけでなく、下痢の原因になることもあるのです。
保存時のポイントは以下の通りです。
– 密閉容器に入れて冷暗所で保管する
– 開封後1か月以内に使い切る
– 袋を開けたまま放置しない
しっかりと管理することで、お腹への負担も軽くなります。
食器の衛生も大切です
食器や給水器が汚れていると、口から雑菌が入って下痢を引き起こすことがあります。
毎食後に食器を洗う習慣をつけましょう。
おわりに:食事の見直しで、愛犬の健康を守ろう

犬の下痢は、病気のサインであると同時に、「食事を見直すチャンス」でもあります。
下痢を繰り返す場合は、まず以下の点を確認してみてください。
– フードの内容や変更のタイミング
– おやつや人間の食事の影響
– 水分補給や保存状態などの環境要因
大切なのは、自己判断せず、分からない時は必要に応じて動物病院に相談することです。
毎日のごはんは、愛犬の健康寿命を支える大きな力になります。
この機会に、ぜひ食事を見直してみてくださいね。